早期退職、セミリタイア生活日記

静岡県三島市でセカンドライフを開始、伊豆を満喫しています

(2)糸魚川静岡構造線:山梨県早川沿い

まず最初の目的地、山梨県早川町糸魚川静岡構造線を紹介します。

富士川の支流の早川沿いに糸魚川静岡構造線が南北に伸びていて、その早川沿いに県道37号線(南アルプス公園線)が山奥へと続いています。県道に入ってすぐの崖には、山梨県の「自然記念物 小原島の貝化石」という看板があります。

灰色の砂岩の中に白い貝殻がたくさんみえます。貝化石にはあまり詳しくないのであっさりスルー(笑)。

白いものが貝化石

早川町新倉(あらくら)には糸魚川静岡構造線の有名な露頭があり教科書にも載っています。 次はここを目指します。

県道37号線(南アルプス公園線)をさらに早川上流へ向かうと、明川トンネル手前に看板があります。

その看板の前が駐車場で、ここから歩いて5分程度のところに「新倉露頭」があります。

今はリニア中央新幹線の工事現場も近くにあり、頻繁に大型トラックが通ります。

大量の土砂が山積みになっている土地もあり、来るたびに高くなって敷地が増えています。これ、どこに棄てるんだろう??

駐車場に車を止めて林道の橋を歩いて渡ると、案内板と断層の位置を示す矢印があるので、すぐにわかります。

教科書や早川町の案内には、きれいに断層面が現れた写真が使われているのですが、現在は崩れていて残念ながら断層面が分かりにくくなっています。

断層は西傾斜(向かって左が西側)で、断層西側(左側)は2500万年前の古第三紀・四万十帯の粘板岩(スレート)、東側(右側)は1500~1700万年前の中新世のフォッサマグナに貫入した安山岩(凝灰岩)です。

つまり、断層面の上位側には古い時代の地層が、断層面の下位側には新しい地層があり、古い時代の地層が新しい地層の上にせりあがっている逆断層です。

この露頭についての詳しい説明は、のちに訪れる予定の大鹿村中央構造線博物館学芸員の河本和朗さんが詳しく書かれています。2003年当時は、断層鏡面がきれいにみえていたようです。

下の写真は、新倉断層より上流の「湯島の湯」にある看板です。ここにも新倉断層の詳しい説明が載っています。

新倉露頭:現在は崩れて断層面が不明瞭になってしまっています。

断層沿いには、断層の摩擦でできる断層粘土があり、岩石が崩壊してもろくなっていますので、早川はその弱線に沿って流れているのでしょう。

さらに車で、新倉露頭から早川を上流へ進み、下湯島の集落付近までの川沿いにみられる岩石は青緑色の火山岩となります。これは糸魚川静岡構造線の東側の新しい時代の火山岩です。

そこから「湯島の湯」までは、川沿いに黒い粘板岩が見えます。

「湯島の湯」にある案内板には写真入りで説明が載っています(下の写真)。早川沿いには、いくつか露頭があったそうなのですが、2019年現在は崩れてしまってみることができませんでした。

2021年4月に訪ねてみると、新しい露頭が2か所現れていました。

まず1つ目は、「湯島の湯」から数100m上流の河床の露頭(下の写真)がみえるようになっていました。

湯島の湯にある案内板

上の写真の拡大図はこちらです。赤丸で囲んだ部分が2019年4月には土砂に覆われていてみえませんでしたが、2021年4月には見えました。

湯島の湯付近の早川右岸側河床 赤い丸のところに行ってみました。

上の地質図にある青色と茶色の境界:糸魚川静岡構造線がみえました(たぶんですが・・・)。

右側の火山岩の中には黒い泥岩?がブロック状に取り込まれています。

ここから早川の対岸をみると、岩石の色が下流では緑色、上流では黒色になっているところがあります。この間が糸魚川静岡構造線です。残念ながら崩れて木が生えていてはっきりとして境界はみえませんでしたが・・・案内の看板にもそのような図が描かれています。

パノラマ写真で撮った早川対岸

この河原には色々な石が転がっていました。

黒いブロック状のものが緑色の凝灰岩?に取り込まれている。

緑色の凝灰岩の中に黒い粘板岩がブロックになって取り込まれている。

粘板岩に石英脈(?)
圧力でぐにゃぐにゃに曲がっている!

「湯島の湯」から数100m下流の河床に、もう1つ新しい露頭が現れていました。

「湯島の湯」にある案内板にも説明されていない露頭を発見

露頭を上から見た写真

同じ露頭を横から見た写真

断層面はまっすぐではなく波打っています。岩石の色が違うので、境界ははっきりわかります。

ここをを過ぎ奈良田までの間は、ミルフィーユのようにペラペラはがれる黒い粘板岩が川沿いにみられます。これは古い時代の四万十帯の岩石です。

細かく割れ目が入っている黒い粘板岩に、白い石英脈が入っています(下の写真)。

粘板岩にみられる石英

それ以外にも早川沿いに露頭があると案内板には書いてありますが、残念ながら発見できませんでした。

湯島の湯・西山温泉間の早川河床:2019年現在は崩れてしまって、みられません。

西山温泉北方の早川左岸河床:ここは訪問していません。

奈良田の古民家カフェ「鍵屋」さんの展示コーナーには、わかりやすい説明版(下の写真)がありました。

どうやって糸魚川静岡構造線ができたか?がとってもシンプルに説明してありました。
ホントはもっとフクザツなんだけどね・・・。

この「鍵屋」さんは古民家を改築したとっても素敵なカフェで、地元の鹿肉や野菜を使った美味しいランチが楽しめますのでおススメです!

早川町の後は、甲府に移動し、勝沼のワイナリー巡りを楽しみました。

その後は、中央構造線を見に行く旅が始まります。

(3)中央構造線」に続く

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