以前の記事でバブル崩壊後の日本の状況について書きました。
私が子供の頃、日本は「モノづくり」の技術が世界トップレベルで、資源がなくてもそれで国は成長しているんだと教わりました。
2000年~2005年までNHKで毎週「プロジェクトX~挑戦者たち~」という番組をやっていて、欠かさずみていました。
あの中島みゆきの「地上の星」「ヘッドライト・テールライト」がテーマ曲の番組です。
今、この曲聞いても、胸がじーんとします。
主に製造業や大規模な土木工事の困難を克服するストーリーが多く、高度成長期の日本の姿がよくわかります。
毎回ストーリー展開がパターン化していて、プロジェクトメンバーに困難が降りかかり、それを克服する苦労の過程が描かれて、たいていはハッピーエンドで終わります。
ある意味、水戸黄門みたいなもんです(笑)。
田口トモロヲの淡々としたナレーションが印象的で、「男たちは、戦った」というフレーズがよく出てきますし、タイトルにも「男たち」がやたらと入っています。
男たちがそのプロジェクトに没頭する間、家庭は妻に任せきりで、妻が重病になっても仕事を優先したという美談(?)もあったっけ。
そう、この番組で女性が主人公になった回は数えるほどしかないんです!
私の記憶に残っているのは、エベレスト女子登山隊と男女雇用機会均等法を作った厚労省の女性たちくらい。
ウィキでざっと調べてみたところ、5年間全187回のうち女性が主人公になったと思われるタイトルは5つだけでした。
これって少なすぎじゃない??って思うのだけど、昭和の高度成長期ってそういう時代だったのかな~?
妻は専業主婦で家庭を守るから、夫は長時間労働に専念できる。
まさに「企業戦士」。
そうやって日本は発展してきたんだろうな、と思います。
下ののグラフは80年代からだけど、高度成長期にはもっと多かったのでは?
私が子供の頃、共稼ぎ家庭の子供はクラスに2~3人しかいなくて、「鍵っ子」と呼ばれ、ちょっと同情的な目でみられていたものでした。
80年代の専業主婦世帯は共稼ぎ世帯の2倍、私が就職した頃に同数となり、今は完全に逆転しています。
今は日本が世界に誇れる技術、モノづくりがかつてよりは減ってきて東南アジアの他の国に負けているように思うし、でも高度成長期の成功体験がいまだに残って抜け出せないのかな。
今、あの頃と同じように男性に「企業戦士」を求めようとしても、女性も働いている(働かないと食べていけないから)から、そんなことできないし、給料が右肩上がりで終身雇用で退職金もしっかりもらえた時代ではないからムリ。
逆に男性の収入を大幅にアップして妻が専業主婦でも生活できるようにしたら、また日本は発展するのでしょうか?
でも今、結婚しない人が増えているから、そもそも専業主婦が企業戦士の夫を支えるというモデルが成り立たない?
結婚しない理由の1つに、男性の非正規雇用が増えてきて収入が不安定だから、というのを聞いたことがありますが、それだけでもなさそう。
男性が一家の大黒柱になって養うという過去のモデルから逃れられない人が多いのでしょう。
たしかに今でも女性の年収は男性より低い場合が多いし、男性が大黒柱になってくれないと困りますね。
高収入の女性が専業主夫と結婚するというのもなくはないけど、そのメリットは??
ここでもジェンダーギャップを感じます。
女性の意見が政治に届くかというと、ジェンダー指数で日本は「政治」分野で22。
政治家はおじいちゃんばっかり、まだまだ女性の議員さんは少ないし、このジェンダーギャップ解消には155年かかるって!
私が生きている間には無理そうですね!
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