約1万年前に富士山から流れてきた玄武岩溶岩は三島を通り、海まで達しています。この溶岩流のことを「三島溶岩」と呼びます。
三島周辺には、溶岩が地表に露出している場所が、あちこちにみられます。
ここでは、「三島溶岩」を追いかけてみようと思います。
駒門風穴
御殿場市の東名高速駒門PA近くには、「駒門風穴」という洞窟があります。普通の住宅街の下に溶岩洞窟があるのには、ビックリです。洞窟内部は溶岩が流れたあとの繩状の模様がうねうねしています。暗くて、写真がうまく撮れなかったのですが、生々しい溶岩の痕跡です。 青木ヶ原樹海にたくさんある風穴は、ここより新しい平安時代くらいの溶岩です。
今の時代に富士山からここまで溶岩が流れてきたら、大惨事になりそうです。
こんなことが、起こらないことを祈ります。
五竜の滝
黄瀬川にできた三島溶岩の滝です。10m近い落差で横に3つの滝が並んでいます。この滝のそばには、大正時代にはホテルがあり、とてもにぎわっていたそうです。白黒写真が掲示板に載っていましたが、とても素敵なホテルです。今、これが保存されていたら、よかったのになぁと思いました。
公園内には江戸時代の古民家を移築して保存しています。
平成24年に屋根の吹き替えを行った際は約2000万円も費やしたそうです。
次回はいつなのでしょうか。職人さんも減っていそうですね・・・。
鮎壺の滝
ここは落差が10m近くあり、水量が豊富な滝です。
五竜の滝とそっくりな滝です。
伊豆半島のジオサイトとして、滝を眺められるつり橋や展望台が整備されています。
溶岩の下位にある柔らかい火山灰層が侵食され、溶岩の落差が滝になったということだそうです。
河床には発泡した黒い溶岩が露出し、繩状溶岩も見られ、4本にわかれた滝が激しい音を立てて流れ落ちています。
すぐそばには住宅街があり、この音はうるさくないのだろうか?と心配になります。
公園内の長泉町の掲示板には、「溶岩下底にある炭化した樹の炭素同位体年代測定から9610±170年の値が出た」と書いてあります。この掲示板は、ジオパークの説明板より、かなり詳細です。
本題とはずれますが、この日の雲、すごい不思議な形でした。
割狐塚稲荷神社
鮎壺の滝から真東へ500mほど行ったところに「割狐塚稲荷神社」があります。
三島溶岩の表面が冷えてスピードが遅くなったところに、内部のドロドロの溶岩があとから押し上げて塚のように盛り上がったところが神社になっています。
発泡した溶岩が数mの高さにこんもりと塚を作っていて、割れ目がたくさん入っているところに、赤い鳥居がたくさん並んでいます。
鮎止めの滝
鮎壺の滝から真東に行くと、上岩崎公園内を流れる大場川に「鮎止めの滝」があります。
こちらも鮎壺の滝とよく似た落差です。ちょっとどぶ臭いのが残念です。
富士山の地質図はこちらを参考にしてくださいね。