最近、3か所続けていわゆる「飲食業界」でアルバイトしています。
地元NPO運営のカフェ、カウンター席メインの小料理屋的な小さな店、個人経営のレストラン。
これまでエアコンの効いたオフィスで座りっぱなしのパソコン業務ばかりだったけど、ガラリと違う環境を経験してみています。
週に1~2回、2時間から長くて5時間くらいだけど、立ちっぱなしは腰にくる。
地方のバイト時給は、どこも最低賃金スレスレ、ヘタしたらサービス残業的なものを考えると最低賃金以下になることも。
(かといって、いまさらフルタイムで働きたくはない。)
それでも、カフェでは移住者や旅行者との出会いを楽しんだり、
小料理屋ではカウンター越しにご常連のオジサマ(年齢層高めの店)と楽しくお話したり、お酒をごちそうになったり。
レストランではお料理を味見させてもらったり、レシピや盛り付けの勉強ができたり。
腰は辛いけど、それなりに楽しいこともあったりしました。
(あまり労働を時給換算したり、深く考えない方が心の平和が保てます。)
個人の小さな店は大手チェーンより時給が安い上、労務管理もちゃんとしていないし、オーナーのやり方しだい。
クセのあるオーナーさんもいて、バイトが長続きせず、いつも募集していたり。
今まで働いたところは、オーナーさんの人柄は良いし、調理のレベルは高いし、接客サービスも真面目。
なんだけど、店内のマネージメントがちょっとアレなんです。
大企業時代、管理職育成の研修で、
「部下に言ったりやったりしてはいけないこと」を教わったけど、
まるで悪い例のロールプレイのビデオ見ているよう。
アンガーマネジメントができていないオーナー。
忙しい時はイラっとするのはわかるけど、深呼吸して落ち着いて。
方針がころころ変わる、有言不実行のオーナー。
つい忘れちゃうのはわかるけど、メモしといて。
開店1か月で雇われ店長が突然辞めたり、ホールや裏方スタッフが誰も入らずオーナーが1人でやったり。
せっかく応募があったのに、入社初日に先輩が厳しい指導をして泣かせて、3時間で退職ということもありました。
その先輩の言い分としては「自分も同じような指導をされた」そう。
(言い過ぎたって反省はしていたけど。)
横で見てて、この言い方はアウトでしょ~って思っていたけど予想通りの結果。
それでも働きたいという人が門をたたいてくるような星付きの素晴らしい店ならともかく・・・でも、たまにそういう人がいるんですよね。
ある意味、宗教に近いかも。
オーナーは教祖様、弟子は熱烈な信者。
若い子は外の世界を知らないから、都合よく洗脳(?)されちゃうのかも。
自分の店なんだから自分のルールがすべてだというのは、ある意味正しいけど、
言っちゃ悪いが「サル山のボス」みたいなもの(笑)。
私は、若い子のような熱量はないし、冷ややかに眺めています。
どうせ週に1~2日、数時間の裏方作業だし、
家が近所で、出勤日が自由に選べるからというだけ。
ここで大企業ではとか、労務管理的には・・・なんて言ったら、煙たがられるだけだし。
ある日、オーナーがこんなこと言いました。
「Aさんは人の2倍動いてよく働く。
あなたもAさんを見習って、早くそうなって。
私が雇ってよかったって思われるように。」
それ聴いて心の中で吹き出しそうになりました(ゴメン、オーナーさん)。
私は、そんなふうに思ってもらいたいとは全く思っていないんですが。
いや、むしろ「こんな不人気な職種なのに来てくれてありがとう」じゃないのかな〜。
同じ時給で2倍働くAさんは経営者側には都合のいい人でしょう。
そういうことは経営者や管理職間で話すのはいいとして、バイトに言うもんじゃない。
企業でも「前任者は人の2倍仕事していたのだから、当然あなたもそうしてね」なんて言ったらアウト。
仮に言うとしたら、「最終ゴールは○○。今はその半分くらいの達成度だから、○か月後には達成できるよう、Aさんに教えてもらってください。」とかかな。
経験のある社員がどんどん辞めていって、いくら求人募集しても応募がなく、
バイトだけになって、まともに教えられる人がいない。
バイトで一番長くいる人でも3か月。
全然、人数足りていないし。
自分がお客として食事してみたけど、掃除は行き届いてないし、
サービス料を取るわりにサービスのレベルが・・・味は良いのに残念。
オーナーさん、早く気づいて!
この現状、どうにかした方がいいよ。
シェフ=いちプレイヤー
マネージャー、リーダー=スタッフの育成、管理
小さな店ではこれらをオーナーが1人でやらねばならないわけで、
好きな調理だけやる、「いちプレイヤー」でしかいたくない、できないのなら、
1人か夫婦や家族だけでできるような規模の店や営業形態にした方がいいのになって思うことも。
はっきりは言えないけど、なぜこれまでの社員やバイトが定着しなかったのか、どの店もそれぞれ理由があるような気がします。
スタッフに対するねぎらいや感謝の言葉や態度があるだけでも違うのに。
業務上の指示や注意事項を伝える言葉の選び方で、かなり信頼度も変わるのに。
オーナーと単なる雇われ人では熱量が違うし、オーナーの目標をスタッフにどれだけ共有するかで仕事の仕方が変わってくるはず。
でも、それが伝わっていない。
伝える時間や機会、スキルをオーナーが持たないと。
でも、私は何も言わない。
年が上ということもあって、たまに相談されることもあるけど深入りせず。
いいの、私はただのバイトのおばちゃんだから(笑)。
今さら、管理職のようなことしたくないもん。
まわりの店をみていても、求人募集かけても応募がなく、人手不足で閉店したり夜営業をやめたりする店もあちこちに。
飲食業界には、需要と供給のバランス、売り手市場、給料の安さ、ワークライフバランス的なもの、いろんな問題があって、よっぽど料理や接客が好きで、モチベーションがキープできる魅力がないと続けられない業界。
こういう経験は1つの大企業に定年まで、どっぷり浸っていたら得られなかったこと。
大企業の管理職をこういう職場に研修派遣したら、自分の立ち振る舞いを振り返るよい機会になるかもしれない。
今から思い出すと、横柄な上司をこういうところに送り込んでみたかったなぁって思ったり(笑)。
やっぱりお客さんとして、楽しく美味しく過ごすのが一番、裏を知らない方がいいかも。
良いかどうかは別として社会勉強にはなります。
いつまで続くかわからないけど。