2024年9月上旬に福井市で「美酒コンクール2024」という日本酒審査会があり、アマチュア審査員として参加してきました。
広い会場に300以上の日本酒の瓶が並んでいて、こんなにたくさんの種類を味わえるなんてうれしい!のですが、飲み込まないで、吐き出すことがルール。
酔わないので、味の違いはすごくよくわかる(でも、もったいない)。
ワインと比べて、日本酒は味の幅が少ないと思っていたけど、意外と違いがあるものだな~と気づくことができたことも収穫でした。
今回は、利き酒師の資格を持っている人とは別にアマチュアの審査も取り入れています。
だってお酒を飲む人の大半は資格をもたない一般人ですもの、そういう人の嗜好も審査には必要ですよね。
結果は1か月後に発表だそうで、楽しみです。
このために福井までいったわけですが、まっすぐ帰ってきちゃうのはもったいないので、京都の日本海側、琵琶湖周辺を旅行をしてきました。
その中で一番マニアックな場所のご紹介。
三方五湖と呼ばれる景色がきれいな場所にある
福井県年縞博物館。
年縞と書いて、「ねんこう」
湖の底に静かに降り積もる泥が季節によって成分が変わるので、
しましまに見えることからこのような名前がついています。
とってもデザインが素敵な建物の中には、ひたすらコアのスライスが展示されています。
なんと連続45m、7万年分の地層のしましま。
細長いバームクーヘンのようで美しい。
1年分が0.7mm程度、気の遠くなるような年月がここにありました。
なが~い廊下のような展示室。
入り口側が現在、奥へ向かっていくと過去にさかのぼっていきます。
この「しましま」を1枚ずつ数えて7万年分。
時々、火山灰の層が挟まれていて、それがどこの火山でいつ噴火したかが、1年単位でわかるなんてすごい。
地震や地すべりの層もあります。
なぜこの湖に7万年分の堆積物がたまり続けるのか、埋め立てられてしまわないのか??
実は湖の東側に断層があって、湖はどんどん沈降して深くなっていること、水深が深いので強風で水底がかき回されないので、「しましま」が保存されているのだとか。
わかりやすいアニメで説明されていました。
この断層は京都まで続いていて、福井でとれた鯖を運ぶ「鯖街道」とよばれていたそうです。
断層があるところは歩きやすいので、昔から街道になっているのですね。
この湖の堆積物が年代を決める基準の「ものさし」のような役割を果たしている、世界でも唯一のものなのだそう。
そんなすごいものが、福井にあるなんて、ビックリです!
そしてコアスライス展示の裏側には、人類の歴史との対応が展示されていました。
縄文人よりもっと前の人類のころから、ここに湖があって堆積物ができていたというわけ。
現在までの間には何回も今より寒い時期があったそうで、ヒートテックやダウンのない時代にはさぞかし寒かったでしょう。
江戸時代には隅田川が凍結するほど寒かったとか。
逆に今より暑い時期もあったそうです。
この堆積物からわかる年代に、過去のできごとや気候などが合わせて展示されていました。
福井県にこんなすごい博物館があるとは・・・
行ってよかったです。
そして、この湖たちを小高い丘から眺められる五湖テラスという展望台がとってもステキでした。
寝そべって景色を眺められるソファや、足湯がありました。
きれいな景色をただ眺めるだけでなく、なぜここにこの景色、地形があるのか、それを知ることが楽しいと思いました。
太古の人々は、そういうところに神社を作って神様を祀ったのもわかる気がします。
今回、ひょんなことから、日本酒のコンクールの審査員というお話をいただき、
そこから福井を旅することに。
そして念願だった伊根の舟屋もみることができました。
西日本はあまりなじみがないエリアで、言葉、慣習、郷土料理など・・・知らなかったことがたくさん発見できました。
同じ日本なのに、地域によって、こんなに違うんですね。
まだまだ知らないことだらけです。
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