街を散歩していると、あちこちに湧き水がみられます。
三島は約1万年前に富士山から流れてきた溶岩が作った地形からできています。溶岩はもとからあった古地形を覆うように流れます。溶岩は北から流れてきたので、町全体が北から南へゆるやかに傾斜していますが、ところどころで小さな凹凸があります。これは溶岩の流れが止まった場所や、元の古地形の傾斜によるものです。湧き水が湧いているのは、このような凹凸部分で、地形の傾斜が急なところから緩やかになる部分や、柿田川公園のような溶岩末端部です。
駅前から楽寿園、白滝公園あたりまでは、地表に溶岩が露出していますが、緩やかな坂道を下り、国道1号線を超えると、溶岩下の古地形は急に低くなるため、溶岩も地下深いところにあり、その上を沖積層の堆積物が覆って平坦な地形になっています。自噴する湧き水が多くみられるのは、地表に溶岩が露出している駅周辺から溶岩が作る緩やかな坂道の地域で、国道1号線を超えると湧き水の自噴はありません。
この地図は三嶋大社前の案内板の写真です。
伊豆半島ジオパークのサイトには三島の湧き水の位置と地形図が掲載されています。これをみると湧き水が地形の傾斜と関係していることがわかります。
下の写真のように、お店や家の庭先に水が湧いていて、自由に使えるようになっているところもあります。
こちらはCOFFEE & COの庭先に沸いているお水です。
中に水草があります。
その近くには「三島梅花藻の里」の水源池があります。ここも緩やかな坂道が終わる部分になります。
駅の近くにある白滝公園や菰池公園も湧き水が豊富です。ここから川が始まっています。三島駅前は坂道になっていますが、その坂道の終わる部分になります。
こちらは白滝公園の湧き水の池です。
地面からポコポコと水が湧いています。この日は少なめでした。
菰池公園の池です。右の方の岩から水が湧いています。
菰池公園近くの鏡池と言われる場所は、かつては水が湧いていたそうですが、今は枯れています。ここに「溶岩樹形」がみられます。富士山から流れてきた溶岩が木を巻き込んで、その後が空洞になったものです。
こちらのおうちは、2つの水路に挟まれています。
この水路をよく見ると、岩の境目から水が湧き出しています。
源兵衛川を歩いていると、石垣の隙間から湧き水がたくさん出てきています。
本当に湧き水が豊富な街ですね。