9月中旬に「就職支援セミナー 基本編」に行ってきました。参加者は老若男女、30人弱くらいでした。
途中で休憩を入れながらの午後の3時間、かなり中身の濃いものでした。
民間企業を退職後、就職支援の仕事についているという年配の男性が講師でした。就職支援を静岡県各地で経験してきていて、お話しの中にはたくさんの具体的な経験談がでてきました。
セミナーの内容は、再就職のための求職活動の進め方を詳細に説明してくれました。
履歴書の書き方、面接の受け方など具体例を挙げて、よい例と悪い例を丁寧に説明され、とても参考になりました。
希望すれば、マンツーマンで面接の練習や履歴書、職務経歴書の事前チェックもしてくれるそうです。
今まで新卒採用しか経験なかったので、「職務経歴書」というものがあるとは知りませんでした。これの書き方も一人一人の経歴を聞き取りながら、ベストな書き方を提案できるそうです。
ハローワークではミスマッチを避けるため、企業に求職条件を細かく確認して求職者に紹介しているとか。
正直、ここまできめ細かく一人ひとりに対応しているとは思っていませんでした。
このセミナーの「演習編」では、実際に履歴書を書いたり、面接の練習もあるそうです。
ここまで丁寧にサポートして、その方が再就職できたら、すごくうれしく、やりがいがあるかと思います。私も前職では若手の教育に携わってきました。希望するセミナーの予算を獲得し、申込の手配をした後、彼らが充実した表情で成果報告をしている様子をみると、達成感を感じました。親鳥がひなを育てているような気持ちになったものです(遠い目・・・)。
これまでは、企業の採用する側だった私が、逆の立場になって話を聞いているととても新鮮です。
今までは「内定辞退続出!さて、どうする?!」みたいな状況だったのですが、逆に受かるためにはどうするかということになったわけです。
実際に面接を受けることになったら、緊張してできそうにないかもしれません。今まで、学生さんの面接に数えきれないくらい立ち会ってきましたが、あんなにうまくできないかもと自信がなくなってきました。彼らも、相当練習していたのでしょうけど。
講師の方はとても優しい笑顔で、帰り際に「長時間、聞いてて、疲れたでしょう。がんばってくださいね。」と一人一人に声をかけてくれました。講師の方が、3時間立ち通しで疲れているはずなのですが・・・。
このセミナーを受けた後、昨今の格差社会や貧困問題の報道で、ネットカフェやレンタル倉庫で寝泊まりしている人が大勢いるという話を思い出しました。
「そういう人たちはここには来ないのだろうか?こういうところの支援から、もれ落ちた人達が多数いるのだろうか?」と疑問に感じました。
ここまで丁寧にサポートしてくれるのだから、住むところをなくす前に、どこか就職できなかったのかと思うのですが・・・。やはり、簡単には解決できない根が深い問題があるのだろうと思います。
そんなことを思いつつ、帰路につきました。