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石油の自給率は1%以下で、99%を海外からの輸入に頼っているのは、みなさんもご存じかと思います。
ところが、量は少ないながらも、日本も石油・天然ガスが生産されていることをご存じでしょうか。
新潟、秋田、北海道で細々とですが石油・天然ガスが生産され、千葉では水溶性天然ガスが生産されています。
新潟では、地表に石油やガスが自然に湧き出しているところがありますので、ご紹介したいと思います。
シンクルトン公園
新潟県胎内市にあるシンクルトン公園では、地表に黒いドロドロの石油が湧き出している様子が公園内に保存されています。
手掘りの古い井戸も残されていて、日本最古の油田と言われています。
明治時代に英国人医師のシンクルトンが採掘方法を指導したことから、公園の名前の由来となっています。
古代の人は「油壷」と呼ばれる黒い石油の池で、竹箒の穂のようなものを使って石油を採っていたそうです。
また、地面に水たまりができると、天然ガスの気泡がブクブクと出てきます。
もちろん火気厳禁!
公園内には資料館もあります。
石油の里公園
新潟県秋葉区金津にある石油の里公園も、明治時代から石油が生産されていた場所を保存しています。公園内には「石油の世界館」もあり、新潟の石油産業の貴重な資料が展示されています。このあたりには石油がしみ込んだ砂層が地表でも見られます。
日本の石油王と呼ばれた中野貫一、忠太郎の親子二代が築造した邸宅と庭園が保存されている「中野邸記念館」も見る価値があります。明治時代にこんなすごいお金持ちがいたんだとビックリです。
明治時代には、新潟県はあちこちで油田開発が行われて、オイルラッシュで大変潤っていました。今でも長岡で鉄工所が多いのは、石油の掘削で使う機械を作る必要があったためでした。
今とは全然違う産業で繁栄していた新潟県の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。