以下に、退職後にやっておくべき手続きについてまとめてみました。
なるべく急いで行うべきものは、健康保険と年金の手続きです。退職前から手続きに必要な書類や場所を調べておきましょう。
健康保険の手続き
すぐに再就職しない場合は以下の3つの選択肢があります。
(a)国民健康保険:市役所で退職日から14日以内に手続きを行う。前年の年収で金額が決まる。扶養家族も各自で入る必要がある。
(b)配偶者の会社の健康保険の被扶養者:配偶者の会社で、退職日から5日以内に手続きを行う。
(c)元の会社の任意継続:20日以内に会社で手続きを行う。空白期間ができないこと、扶養家族の分も含まれるのがメリット。 ただし、2年間限定。 家族が多い人は任意継続にして、2年後、年収が下がったら国保に切り替えるとよい。
いずれを選んでも、退職後、急いで手続きを行う必要があります。空白期間に事故や病気になって病院に行った場合、いったん、立て替え払いになるそうですが、後から返還されるそうです。とりあえず、無事にその期間を乗り切りました。
年金の手続き
すぐに再就職しない場合は以下の2つの選択肢があります。
いずれの場合も、退職後急いで行う必要があります。
(a)国民年金(国民年金 第1号被保険者):退職日から14日以内に役所で手続きを行う。
(b)配偶者の会社の厚生年金の被扶養家族になる(国民年金 第3号被保険者):退職日から14日以内に配偶者の会社で手続きを行う。
失業保険
退職から1年以内は受給できます。退職理由によって受給期間が違うので、自分の受給期間を調べて、途中で時間切れにならないよう注意します。必要な書類や持ち物がたくさんあるので、ネットで調べて忘れ物のないように気を付けましょう。
また、最初に何曜日に行くかで、その後の認定日の曜日が決まるので、自分のスケジュールを見ながら曜日を決めましょう。
確定拠出年金
企業型DCに入っていた人は個人型DC(iDeCo)への変更手続きを行います。収入がない人には、所得税と住民税が安くなるというメリットはありませんが、運用中の収益は非課税、受け取り時の退職所得控除か年金控除が使えるメリットはあります。
このまま何もしないで放置すると、6か月後に年金資産が国民年金基金連合会に移換され、運用がストップし手数料だけが引かれていき、税制上のメリットが受けられず、60歳になった時、すぐに受け取れない可能性があるとのことです。
無職の人が、管理費や手数料を払ってまで、これをやる意味があるのかは疑問に感じますが、もう脱退できないので続けるしかありません。
もともと、会社でiDeCoに入っていた方が、退職後、どのような手続きが必要なのかは、私にはわかりません。
退職金運用
こちらは、必ずしも急いでやるべきことではないですが、一応、書いておきます。(なお、ここに書いてある情報は2019年8月時点でのものですのでご注意ください。)
退職金運用の金融商品は、ネットで検索すると、いくつか出てきます。
退職者専用のプランで、金利がほんの少し高い定期預金(でも、期間は6か月くらいまで)、外貨預金、または投資信託と定期預金の抱き合わせというものです。
地方銀行では、かなり金利が高いものもあるのですが、その県に居住していること、退職金受け取りをその銀行にすることなどの条件があり、ほとんどの人は適用外です。
結局、三菱UFJ信託銀行と三井住友信託銀行の2つくらいしかありませんでした。
両方のパンフを取り寄せて検討してみました。
商品はほとんど一緒で、定期預金の期間や金利がわずかに違うという程度でした。投資信託との抱き合わせプランは表面上、金利が高く見えますが、手数料や元本割れリスクがあるというのが実情です。外貨預金も一見、金利が高いですが、為替リスクがあります。私はここで投資信託や外貨預金をあえてやろうとは思いませんし(すでに他で持っているので)、退職者専用定期預金コースを選択しました。
三井住友信託銀行の定期預金は3か月限定、退職日から1年以内です。一方、三菱UFJ信託銀行の定期預金は6か月限定、退職日から2年以内です。なので、最初に三井住友信託銀行の定期預金、次に三菱UFJ信託銀行の定期預金へと預け替えることにしました。
しかし、三井住友信託銀行は沼津支店があるのですが、三菱UFJ信託銀行は静岡県内だと静岡と浜松しかなく、東京に用があるついでに口座開設するしかないと思います。
1000万円を3か月~半年預けても、2万円弱程度の利息しかなく、新幹線代や振込手数料、口座開設の労力を考えると、効率が悪いなとは思います(ため息)。バイトした方がよっぽど、儲かります。
まあ、とりあえず使い道もないし、定期預金にして置くことにしました。
このプランは実際に窓口に行って、さまざまな書類を提出する必要があり、相談窓口の予約をしなければなりません。ちょっと面倒ですが、手続きをしてきました。
まとめ
以上、退職後にやるべきお金の手続きをまとめました。
こうしてみると、いかに会社が様々な手続きを代行していてくれたか、よくわかります(感謝!)。
入社27年、日本の社会保険制度について、会社任せで、全く知りませんでしたが、今回、会社を辞めてから本やネットで調べたり、疑問点は年金事務所や税務署に問い合わせたりして、ずいぶん勉強になりました。そういうことに詳しい人からみれば、どうってことないのかもしれないですが、今まで本当に世間知らずで、ぼーっと生きていたんだなと思いました(チコちゃんに叱られる!)
これからは、自分で何でも調べて決めていかないといけません。税務署や市役所は、「こうしたら、節約できますよ」なんて教えてくれません。こちらから申請しなければ、払いすぎたお金は帰ってきませんし、自分で調べて「こうしたら、どうなりますか?」と聞いて、最も節約できる方法を選ぶしかないのです。
これまで、会社という大きな船に乗って、守られていたのが、大海原に一人放たれたような感じがします。がんばらなくては。
これまでに調べたお金に関する投稿はこちらにもありますので、よかったら読んでみてくださいね。